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印刷の黒について│印刷の基礎知識

チラシ印刷で一番多く使われている黒。
実は、印刷で表現される黒には、「4色ベタ」「スミベタ(K100%)」「リッチブラック」の3種類があります。 それぞれの黒に、特徴や使用上の注意点があります。 使い方によっては、思わぬ印刷トラブルが発生することもあります。
注意するべきポイントを以下の項目にまとめています。

「4色ベタ」とは
CMYKカラーでデータを作成する際、4色の濃度をすべて100%で作成した黒を「4色ベタ」といいます。
大量にインキを使うので

  • 乾きが悪くなり、裏写りの原因となる。
  • ブロッキングが起こる原因となる。
といったことが起こります。
広範囲に4色ベタが広がっていると、重ねられた紙がくっつき、剥がそうとすると、印刷面も一緒に剥がれて 印刷物が傷ついてしまいます。
「4色ベタ」は、濃度が高いので、印刷物の画像や文字には使用しないようにしましょう。

「スミベタ」とは
CMYKカラーで印刷データをつくる時に、「K(黒)」が100%の濃度で表現されている黒色(黒ベタ)のことを、「スミベタ」といいます。
スミベタ(K100%)で作成されたオブジェクトはすべて自動的にオーバープリント処理されます。 オーバープリントとは、色を「重ねて印刷」する事です。
印刷専門用語では、「ノセ(スミノセ)」とも呼ばれています。
なせ、オーバープリントを行うのかというと、印刷していると様々な原因で見当ズレが発生することがあります。
(見当ズレとは、印刷時に刷版の位置あわせがうまく行われずに、トンボの位置がずれて、特定の色がページ全体に均等にずれること)
見当ズレが発生してしまうと、色の境目に他の色が出たり、紙の色の白が出たりしてしまいます。 その為、他の色の上にある小さな文字や線などがほかの色と混ざって、読みにくくなってしまいます。
チラシ印刷の場合、文字の部分は黒色が比較的多いです。そこで「印刷の理論上、黒は、どのような色を加えても黒になる」という特性を利用し、印刷の機械で自動的にブラックオーバープリント(スミノセ)という処理を行います。
ブラックオーバープリントは、黒色に重なっている色や図柄などを抜き合わせにせずそのまま印刷します。そして、その上に黒を重ねていくので、黒の見当ズレが発生しても影響が少なくなります。
見当ズレの影響がほとんどないので、文字や細い線などによく使用されます。
ただ、広範囲にわたって「スミベタ」を使用すると、「ピンホール(白抜け)」が発生しやすくなるので注意しましょう。

「リッチブラック」とは
CMYKカラーで印刷データを作成する際に、4色をかけあわせて作った黒を「リッチブラック」といいます。
「リッチブラック」は、CMYKの4色を掛け合わせて黒を作成します。ですから、見当ズレが起こりやすく、細かい文字や細い線には不向きです。
一般的には、スミベタよりもリッチブラックの方が、美しく深みのある黒を表現できるといわれます。
データを作成する場合は、黒の使い方にも注意しましょう。

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